■概況
首都圏の競売物件数は、長年にわたり減少傾向が続いてきましたが、2025年は増加に転じました。一方、落札率は低下傾向にあり、およそ3年間減少が続いていた入札本数は、2025年下期に入り横ばいからやや増加しています。また、落札価格は下落傾向が続いていましたが、2025年下期は上期と比べてやや上昇しました。

■物件数の増加
2025年の首都圏(1都7県)の競売物件数は、前年と比べて約12%増加しました。都県別では、茨城県のみ前年とほぼ同数だった一方、その他の1都6県ではいずれも物件数が増加しています。最も増加したのは埼玉県で30%以上、多くの都県では10%前後の増加となりました。

■入札本数減少と、落札率低下の傾向
1都3県では90%を上回る高い落札率が長く続いており、これまでは全件が落札となる開札期日も珍しくありませんでした。しかし、2025年下期は東京都で約95%を維持した一方、他県では90%を下回る水準に低下し、不売物件が目立ちはじめました。本庁・支部単位で落札率が90%を超えたのは、東京地裁本庁(23区および島嶼)・立川支部(多摩地区)、横浜地裁川崎支部(川崎市)、さいたま地裁本庁(さいたま市、川口市、戸田市ほか)、千葉地裁松戸支部(松戸市、柏市、流山市ほか)といった東京23区とその周辺部に限られました。
また、2022年をピークに急激な減少傾向が続いている入札本数は、2025年下期は上期と比べて横ばいからやや増加しました。一方、かつて入札本数の多かった千葉県では2025年も減少が続き、3年間で半減する大きな減少幅となっています。


■落札価格の下落はやや止まる
コロナ禍以降に急上昇した落札価格は、その後下落傾向が続いていましたが、2025年下期は上期と比べてやや上昇の動きが見られました。近年、下落幅が大きかった埼玉県では上昇した一方、千葉県ではさらに下落が続いています。本庁・支部単位では東京地裁本庁と横浜地裁川崎支部では、下落幅は比較的小さく、落札価格の変動は限定的でした。一方、一時価格が大きく下落したさいたま地裁の本庁・支部では上昇が見られています。これに対し、千葉地裁では本庁・支部ともに下落が続いています。1都3県以外では水戸地方裁判所土浦支部、前橋地方裁判所高崎支部などは高い落札価格となっています。
