2023年下期 首都圏競売物件 落札価格が下がり、入札なく不売となる物件も

2023年下期 首都圏競売物件 落札価格が下がり、入札なく不売となる物件も

■概況
いまだに物件数が新型コロナ感染症拡大前に戻らない不動産競売市場ですが、高騰していた落札価格は下落し、入札本数が減少しています。

■物件数の減少傾向は続く
2023年下期に首都圏で期間入札に付された物件数は2023年上期の106%とやや増加しましたが、前年同時期と比べると98%であり、新型コロナ感染症拡大以降続いている減少傾向に歯止めはかかりつつも、いまだ物件数は増加していません。

■減少する入札本数、入札なく不売となる物件も
落札率はやや下落傾向があり、不売となる物件が出はじめました。神奈川県以外では各都県やや落札率が下落し、特に埼玉県では落札率が約91%と1割近くもの物件が売れ残っています。今回全物件が売却となった裁判所は水戸地裁龍ヶ崎支部のみで、入札本数は大部分の地域で減少しました。地域別では、入札が最も集まったのは例年通り千葉地裁松戸支部で17.5本、他に平均10本を超えた裁判所は東京地裁本庁、横浜地裁本庁、千葉地裁本庁のみ。また、昨年は平均入札本数が10本を超えていたさいたま地裁川越支部、水戸地裁土浦支部、水戸地裁龍ヶ崎支部が今回は平均5本台と大きく減少しました。

■落札価格の下落が続く
落札価格(売却基準価額に対する落札金額の乖離の中央値)は昨年上期から下落の傾向となっていますが、今回はさらに下がりました。地域別では千葉地裁松戸支部と千葉地裁本庁では今回も2倍を超えていますが、そのほかは各本庁支部で落札価格は下がり、1.5倍を越えたのは前橋地裁の本庁支部、横浜地裁本庁、小田原支部、相模原支部、水戸地裁本庁だけでした。東京地裁やさいたま地裁の本庁・支部ではそれらを下回る落札価格となっており、特にさいたま地裁川越支部や熊谷支部では1.3倍を下回っています。

*落札率は取下等となった物件以外、落札価格は売却基準価額との乖離

*対象は首都圏各裁判所、東京都(東京地方裁判所本庁・立川支部)、神奈川県(横浜地方裁判所本庁・川崎支部・小田原支部・横須賀支部・相模原支部)、埼玉県(さいたま地方裁判所本庁・川越支部・熊谷支部・越谷支部)、千葉県(千葉地方裁判所本庁・松戸支部)、栃木県(宇都宮地方裁判所本庁・足利支部・大田原支部)、茨城県(水戸地方裁判所本庁・土浦支部・竜ヶ崎支部・下妻支部)、群馬県(前橋地方裁判所本庁・高崎支部・大田支部・桐生支部・沼田支部)、山梨県(甲府地方裁判所本庁)

 

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