日野市平山六丁目、1種低層住専地域の古家と約37坪の土地の持分2分の1が落札となった。売却基準価額990,000円に対して1.7倍の1,710,000で個人名での落札、入札は3通あったが次順位資格者はいなかった。持分売却は不動産会社や関係人が入札することが多いが、今回の落札者も売却外持分権者なので関係人ではある。しかし今回落札したK氏は、この持分を過去の令和5年06月13日開札の強制競売で取得しており、2年の時間をかけて2度の競売で100%の持分を取得したのである。今回の申立は 株式会社オリエントコーポレーションだが、この時の申立は 株式会社ゴールドポイントマーケティングで、売却基準価額は同じく990,000円、K氏の落札価格は1,990,000円。入札は4本あったが、やはり次順位資格者はいなかった。競売で持分を買い受けて最終的に完全な所有権を得ることは珍しいことではないのだが、今回の物件は1㎡単価72,800円で土地評価額は333万円、建物は昭和39年築なので残存価値は乏しい。そしてこの土地は建築基準法上の道路に接面しないので、原則的に再建築不可なのである。2度の落札価格の合計は370万円で土地の評価額を上回っている。落札したK氏は隣地に居住しているわけでもなさそうで、この物件になぜ注目したのかはわからないが、開札期日から約3ヶ月経った現時点では同人が所有している。
東京地裁立川支部2024年3月12日開札 令和5年(ヌ)99号事件