阿佐ケ谷、築後約70年の借地権付建物が8千万超で落札 東京地方裁判所本庁2025年3月12日開札

阿佐ケ谷、築後約70年の借地権付建物が8千万超で落札 東京地方裁判所本庁2025年3月12日開札

■物件の概要
杉並区阿佐谷北、阿佐ヶ谷駅近くの木造2階建店舗共同住宅。建築年は不明だが、閉鎖登記の所有権保存が昭和31年なのでおよそ70年が経過している。土地は60坪弱の借地権で、最初の契約が昭和36年、現契約は法定更新で令和23年までの20年間で月額地代136,479円で100万円以上の滞納がある。建物は店舗3戸は不動産業とネイルサロンなどの店舗、共同住宅部分はおよそ15室、合計の月額賃料は649,000円、敷金保証金1,880,000円ですべて対抗要件を持つ賃借権である。建物の構造も建物が2つに分かれ、階段を共用しているようだが、関係人によると約30年前に消防署の指導により1棟の建物を分割したという変則的で、部屋の区画も複雑なものだ。所有者は昭和51年に相続で所有権を取得した3人の共有で、そのうちの1人が申立人。ちなみに、その前の所有権移転は昭和40年の競落を原因なので、民事執行法施行以前競売法の時代だろう。評価額は建物の現価率が10%と経過年数からは高く評価され642万円、借地権割合0.63で借地権価格9300万円、さらに収益価格は1億円あまりで評価され、売却基準価額は6370万円。
■入札の結果
賃料は年間で700万円を上回るが建物や借地権の残存に懸念がある物件だが入札は4本、82,855,555円の買受申出額で個人名での落札だった。次順位資格者は新築分譲などを手掛ける不動産会社で78,500,000円だった。

東京地方裁判所本庁2025年3月12日開札 令和6年(ケ)299号事件

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