■物件の概要
足立区日ノ出町、北千住駅440ｍの5階建共同住宅。土地は6.2ｍ区道と2項道路に接面する準工業地域の約27坪、建物は昭和63年1月築の鉄骨造5階建で、１階は店舗、2～5階はワンルーム15戸の共同住宅。共同住宅部分は３点ユニットバス、ミニキッチン、可動式ベッドという単身者向け仕様で約半分は対抗要件を有する賃借人が月額賃料48,000円程度で居住し１～2か月分程度の敷金を預託、残り半分は空室。店舗は対抗要件の無い賃借人が飲食店に使用。令和6年に共同住宅内で孤独死あり。評価額は積算のみで土地は平米あたり約55万円で4795万円、建物は残存は少なく242万円で、売却基準価額は27,360,000円と現行の半分が空室での年間賃料約550万円に対しては低めとなっている。本件所有者は平成27年に売買で所有権を取得し、抵当権者は今回の申立人スルガ銀行でその際に設定の債権額は約1億6千万円。
■入札の結果
この物件のように占有者の多い共同住宅は非常に入札が多くなるが、今回の入札は71本。昨年の新宿ゴールデン街の100本に次ぐ入札となった。東京地裁本庁で71本もの入札が集まったのは最近10年で５回しかないので、この物件はそれほどに入札が多かったことになる。落札は売却基準価額の約3.7倍の111,011,111円で都内の宅建業ではない法人、本店所在地には飲食店があるようだ。次順位資格者は都内の宅建業者で96,361,130円だった。
東京地方裁判所 2025年２月26日開札 令和6年（ケ）277号事件
