不動産競売物件の落札価格が大幅に上昇 ~エステートタイムズが2013年上期の1都3県不動産競売統計を発表~

不動産競売物件の落札価格が大幅に上昇 ~エステートタイムズが2013年上期の1都3県不動産競売統計を発表~

■概況
関東エリア1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の不動産競売物件は、2011年から2012年にかけて落札価格の下落傾向が続いていましたが、今年(2013年)上期は各都県で落札価格が上昇しました。また入札本数も全ての本庁・支部で増加し、高い落札率はこれまで通り続いています。

■期間入札物件数
期間入札の物件数は2010年以降減少し続けており、今期も多くの裁判所で減少しました。東京都では立川支部は前年同時期とほぼ同数でしたが東京本庁で20%と大きく減少したために14%の減少、次いで千葉県が12%、埼玉県が11%の減少でした。神奈川県は横浜本庁と横須賀支部の物件数が増加したため微増しました。1都3県以外の関東エリアでも同様に減少の傾向がありますが、特に宇都宮本庁では前年の半数以下と大幅に減少しました。

2013年上期 1都3県不動産競売物件
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■入札状況
落札率は2010年以降各都県で90%前後の高い水準が続いていますが、今期は埼玉県で大きく落札率が上昇し、前年と比較しプラス5.5ポイントの95.2%に達し1都3県の中で最も高くなりました。東京都は前年とほぼ同様、神奈川県・千葉県は若干上昇しました。本庁・支部単位では東京地裁本庁・さいたま地裁本庁・越谷支部が98%前後という非常に高い落札率でした。

入札本数(落札物件の平均入札本数)は各都県で増加しました。物件の種類別では土地付建物・マンションともに増加していますが、各都県ともマンションの増加幅が大きく、土地付建物は東京都2.8本、神奈川県1.3本、埼玉県1.1本、千葉県0.6本の増加に対して、マンションは東京都4.3本、神奈川県1.7本、埼玉県2.5本、千葉県2.7本の増加でした。全ての本庁・支部で入札本数が増加しましたが、特に東京地裁本庁、相模原支部、さいたま本庁などで大きく増加し、東京本庁のマンションでは14.5本(プラス5.1本)でした。
(落札率は期間入札の公告に付された物件中、取下などで開札の対象外となった物件を除いた落札物件の割合)。

支部別落札状況
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東京地方裁判所本庁入札結果(開札日別)
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■物件価格
入札対象となった物件の価格(売却基準価額)の中央値は前年と大きくは変わらず30万円下落の852万円でした。都県別では、埼玉県718万円、千葉県496万円はほぼ前年並み、東京都は35万円下落し1,372万円、神奈川県は24万円下落し929万円でした。比較的規模の大きい物件である売却基準価額が1億円を超える物件は前年と比べ減少し、物件数で約40%減少、全体の物件数に対する構成比は1.2%から0.8%に減少しました。

物件の落札価格(対売却基準価額の乖離率中央値)は2011年から2012年にかけて下落傾向が続いていましたが、今期各都県で上昇し、特に東京都は前年と比べプラス0.14ポイント、埼玉県はプラス0.11ポイントと大きく上昇しました。物件の種類では、埼玉県では土地付建物1.49倍(プラス0.11ポイント)マンション1.50倍(プラス0.10ポイント)と同様の上昇幅でしたが、他都県では入札本数の増加と同様にマンションの落札価格の上昇が顕著で、東京都は土地付建物1.34倍(プラス0.10ポイント)に対してマンション1.47倍(プラス0.15ポイント)、神奈川県・千葉県では土地付建物の落札価格上昇幅は小さいものでした。本庁・支部単位では熊谷支部1.49倍(プラス0.19ポイント)、東京地裁本庁1.54倍(プラス0.18ポイント)、相模原支部1.47倍(プラス0.16ポイント)など多くの本庁・支部で上昇し、下落は小田原支部(マイナス0.08ポイント)、横須賀支部(マイナス0.06ポイント)のみでした。また、隣接する1都3県以外のエリアでも土浦支部は1.90倍(プラス0.35ポイント)、龍ヶ崎支部は1.87倍(プラス0.3ポイント)、宇都宮地裁本庁は1.70倍(プラス0.32ポイント)と、大きく上昇しました。

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